だいたい日刊 覇権村

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スワンボートに見る社会発展の歴史

大きな池のある公園に行くと、たいていボート乗り場があるものだ。

そしてボートには3つの種類がある。

手こぎボート、サイクルボート、そしてスワンボートだ。

この3者と社会の発展には密接なつながりがある。

今日はそれを見ていきたい。

 

さて、まず最初にあったのが、手こぎボートだ。

何人かが乗り込み、その内の1人がボートをこぐ。

そして船は先に進むわけだ。

しかし、ここには大きな問題がある。

ボートをこいでいる人間が、他の乗客に搾取されているという現実だ。

搾取されている側は重税にあえぎ、特権階級はその犠牲の上で安穏と暮らす。

こうした社会の矛盾、アンシャン・レジームを打破したのがフランス革命だ。

革命は一部の特権階級の権利を奪い取り、税の負担は社会の構成員全員に平等に分担されることになった。

そしてこの革命の精神はサイクルボートへと受け継がれた。

 

サイクルボートは素晴らしい。

乗客は全員がペダルを回さなければならない。

それは、人々が平等であるということの証だ。

重税に苦しめられていた手こぎボート暗黒時代とは違い、啓蒙と平和の時代がやってきたのだ。

人々は苦労を分かちあい、そして勤勉に働いた。

彼らは懸命にペダルを回し、ボートを進めた。

それに呼応して社会も進歩していった。

そして人々は豊かになっていった。

さて、こうして社会に富が蓄積され、日々の暮らしに余裕が出てくると、

人々は次第に文化・芸術へと目を向けるようになるものだ。

社会は技術と資本を惜しみなく注ぎ、美を追求した。

そしてついにそれは完成した。

スワンボート・・・これこそ人類の栄光と苦労の全てが最後に到達した究極の存在だ。

さぁ、スワンボートでこぎ出そう。

そしてスワンボートに乗る時は是非、1人で乗ろう。

そうすればこの世界の王になったような気分になれるはずだ。

だが、無知な大衆はきっとあなたに白い目を向けるだろう。

それも仕方のないことだ。

だが、臆することはない。

きっとスワンボートは、醜いあひるの子のような我々の心を、美しい白鳥へと解き放ってくれるはずだ・・・多分。