だいたい日刊 覇権村

実益のない事しか書かない

植物になったら

植物になりたくなったので、

先日は植物園へ行ってきた。

しかし、植物園へ入ってみると、

私は植物にまるで興味がないことに気づいた。

入場して早々私はすることに困った。

そこで植物を見ることは放棄し、

植物について考えてみることにした。

 

さて、植物には人間が見習うべき長所がいくつかある。

例えば光合成だ。

人間も植物みたいに光合成ができるようになればいい。

そんな未来が訪れたとしたら、一体どうなるだろう?

そんな未来はきっと輝かしいものに違いない。

まず葉緑体を取り込むため、全身が緑色になる。

これは得られるメリットに比べれば、

微々たるデメリットだろう。

また、光で動くようになるため、

夜は頭の上に電気スタンドを設置し、

自らを照らしながら歩く。

だが、電池が切れてしまうと道ばたでしぼんでしまう。

これもまぁ仕方ない。

 

体からは葉っぱが生えてくる。

そして人気ファッション雑誌には、

モテる葉っぱの生やし方特集などが組まれる。

ビジネス書には「デキる人は酸素をたくさん吐く!」

などのタイトルが立ち並ぶ。

また、スナック菓子を食べるような感覚でリン酸やカリを食べるようになる。

アブラムシが大量にくっついてベトベトになる。

毛虫に食べられる。

草食動物に襲われる。

社会に不要と判断された人は

リサイクルされて再生紙にされる。

 

・・・意外と未来は暗いかもしれない。

私は考えるのを打ち切り、

植物園をあれこれ散策をした。

 

歩いていて一つ思いついた。

そうだ!

いつも「死にたい・・・」と漏らす友人のために、

トリカブトを摘んでいこう!

しかし、いくら探しても

トリカブトは見当たらなかった。

これでは友人を救うことはできない。

私は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 

植物園には池があった。

見ると池の近くでは、

ザリガニを釣ろうとしている子どもがいた。

しかし、釣り糸につるされているのはタンポポだった。

親らしき人 「そんなんじゃ釣れるわけないでしょ!」

子ども 「そんなことない!

こんな黄色いのに!

黄色いものはみんな好き!

黄色!黄色!黄色!」

やはり子どもの発想力はすごい。

とても真似できない。

 

池には亀もたくさんいた。

そしてなぜかわらわらと私の近くに群がってきた。

きっといつも自分の殻にこもっている私を、

仲間だと認識したのだろう。

私は亀にとても親近感を感じた。

 

さて、園内をぶらぶら歩いていて気づいたのだが、

芝生には寝転がってる人がたくさんいた。

「俺は芝生と同化したいんだ!」

という強い意思表示を感じた。

その気持ちは痛いほどよくわかった。

そうだ、私も植物になるためにここに来たんだ。

大切なことを忘れていた。

思い出させてくれた元人間達に感謝した。

そして私もすぐさま芝生になるべく横たわった。

そうか、これが植物状態か。

今なら光合成もいけそうな気がする。

しばらくすると私の体は緑化が始まり、

そのまま芝生の一部へと溶け込んでいった。