徘会とは、時々友人と開催する
徘徊の会の略称のこと。
文字通り町を徘徊するだけの雅な催しだ。
我々は適当な駅で待ち合わせ、
適当な駅で降り、適当に歩き始めた。
今日も湿度と気温が高い嫌な日だ。
友人のO氏は暑さについてぼやいていた。
O 「クソ暑い。暑すぎる」
私 「心頭滅却すれば火もまた涼しだ」
O 「どうやって心頭滅却するんだ?」
私 「そこ走ってる車に軽く頭をぶつけてみるとか」
O 「涼しくなりそうだな」
おすすめだよ。
結局、心頭は滅却できなかったので、
暑さに苦しみながら徘徊することになった。
しばらく行くと、おもちゃ屋がいくつか見えてくる。
我々はまだ小学生なので、
それらに出会う度に入っていった。
俺は友達が少ないからやったことがない。
今度一緒にやろう」
私 「うーん、ちょっとなぁ・・・」
O 「誰か俺と友達になってくれ!」
また、歩き続けていると、
いくつもの駅を通り過ぎることとなる。
その内の1つの駅の前で、
活動家が「人権を守れー!」と叫んでいた。
私 「人権ってどうやって守るんだろう?」
O 「ブラック企業を爆破する」
私 「物騒だな」
O 「何を言っている。
ツァーリに爆弾を投げつけるぐらいでなければ、
立派なインテリゲンツィアになれないぞ」
私 「ならないよ・・・」
その後も散策を続けたが、
マイナーな場所だったので、
特筆すべきものはなかった。
だが、途中でヘリコプターが空を飛んでいた。
私 「あ、チヌークだ!」
O 「なんだそれは?」
私 「あのローターが2つあるヘリコプターのこと。
私もあれになりたい」
O 「ローターが2つ足りないな」
私 「あとちょっとだ」
そうこうしている内に、
一行は迷走を始めた。
いよいよもって何もないところに
来てしまったようだ。
O 「で、これどこ向かってんだ?」
私 「わからない。
でも、わからないと感じている私は
確かにここに存在している」
O 「何デカルトみてーなこと言ってんだよ!
哲学すんな!現実をみろ!」
私 「はい」
現実は見えませんでした。