だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

山谷より

 

 昨日は友人のT氏と山谷(さんや)へ行ってきた。

山谷とは、東京のドヤ街のことだ。

西の西成、東の山谷なんて言われたりもする。

きっとそこらへんには人骨が転がり、

我々も追い剥ぎに遭って

無様に死ぬんだ。

そんな風に思っていた。

もちろん遺言も書いてある。

だが、そんな心配は無用であった。

治安は良く、

銃声すら聞こえないので、

拍子抜けしたぐらいだ。

 

さて、山谷で特筆すべきは

物価の低さである。
f:id:buddha01:20171224231121j:image

1泊2000円の宿がゴロゴロある。


f:id:buddha01:20171224231150j:image

80円のジュースまであるぐらいだ。

 

だが、安さなら我々だって負けてはいない。

2人はそこらへんで缶チューハイを買い、

公園にたむろして飲み始めた。

私 「これが本当のデフレだ!」

T 「すげぇだめ人間感だな」

2人の人間としての値打ちは

みるみるうちに下落していった。

そして底値になったところで、

山谷を出ることにした。

 

次は視界に東京スカイツリーが入ったので、

そちらを目指すことにした。

友人はさらに発泡酒とソーセージを買い、

そのまま歩きながら飲む始末だ。

T 「クソ、ソーセージがまずい。

屈辱だ。

屈辱としか言いようがない。

恥辱まみれのソーセージ」

私 「味わい深い光景だ」

T 「趣を感じるだろう?」

私 「ああ、もし平安貴族だったら

和歌とか詠んでいるレベル」

T 「どんな?」

私 「なんだろう・・・。

山谷から

    うまれいづるや

                 くずびとよ」

T 「風雅だな」

 

その後、途中の神社で

おみくじを引いたりしながら、

我々はさらに歩き続ける。

T 「どう、最近歩いてる?」

私 「うーん、ぼちぼちかな」

T 「散歩はしてる?」

私 「それはかなりやってるよ!」

T 「ウォーキングは?」

私 「全然だなぁ。

というか3者の違いはなんなんだ?」

 

また、しばらく行くと。

T 「酒はいいなー。

様々なことを忘れられる。

あ、おみくじ捨てよ」

私 「凄まじいだめ人間感だ・・・。

そしてそんなことして大丈夫なのか?」

T 「何でもかかってこいよ」

私 「今日は生きて帰れないかもしれない」

 

だが、我々は意外にも

無事スカイツリーへたどり着いた。

あたりにはツリーの詳細が書いてある。

T 「分速1200メートルのエレベーターだってよ」

私 「10分乗っていれば成層圏まで行けるな」

行けるなら宇宙ステーションまで行きたいところ。

 

しかし、受付に行くと、

そこは凄まじい混雑ぶりだった。

看板を見れば70分待ちだ。

私 「そういや最悪の時期じゃないか。

なんでこんな時期に来たんだろう」

T 「なんかスカイツリーが見えたから」

私 「電灯に集まる虫レベルの行動だな」

飛んでスカイツリーに入る冬の虫であった。