だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

謎の公園

近所に謎の公園がある。

いや、謎というより不気味な公園だ。

閑静な住宅街の中にある小さな公園で、

大きな木がいくつか生えている。

そのため昼でも薄暗い。

地面に芝生などは植えておらず、

むき出しの土と雑草が

ちらほら生えているぐらい。

あと遊具もない。

ベンチが一応1つあるが、

よほど独創的な子どもじゃない限り、

これで遊ぶことは不可能だろう。

一体ターゲット層をどこに絞っているのか、

謎な公園なのだ。

 

そういう公園なので、

子どもが遊んでいるのを見たことがない。

ここまでは良い。

問題は、なぜかこの公園には、

いつも大人の男が1人とか2人とかいることだ。

しかも、ただベンチに座ってたり、

そこらへんをうろうろしていたりと、

何をやっているのかよくわからない。

これがすごく不気味。

 

そんな不審者がいるんだったら、

さっさと通報すればいいじゃないか。

多分、そんな風に感じると思う。

しかし、これがなかなか難しい。

というのも、その不審者達は、

いつも同じ人というわけではなく、

日によって違う人だからだ。

若者から中年まで、年齢もバラバラ。

きっと1人を通報しても、

第2、第3の不審者が現れるだろう。

長らく気になっていたが、

とりあえず近づかないようにしていた。

 

だが、これを調べる絶好の機会が訪れた。

帰る途中に見てみると、

いつもは誰かいるはずなのに、

今は誰もいなかったのだ。

チャンス!

私は恐る恐る公園に足を踏み入れた。

 

まず、気になるのがベンチだ。

いろんな人が座ってるから、

さぞ座り心地がいいのだろう。

しかし、座ってみても普通のベンチである。

私はベンチソムリエではないので、

違いがよくわからなかった。

 

じゃあ地面に秘密があるのではないか?

一応見てみたが、普通の土だ。

雑草もごくありきたりなものばかり。

謎は深まるばかりである。

 

しかし、1つだけ気づいたことがある。

私が不審者じゃないか、今・・・。

警察に職質されても何も答えられない。

多分、これがこの公園のメカニズムだ。

こうやって日々、不審者が生産されていくのだ。

私は長年の謎を解明できて、とても感動した。

早く潰した方がいいと思う。