昨日の続き
T氏の引っ越し準備のため、
私とO氏は徴兵された。
そして昨日の記事で書いた通り、
引っ越し先は決まった。
次は大掃除の時間である。
まずはどこから手をつけようかという話になった。
T 「俺の部屋、見たい?」
私 「いや」
O 「興味ない」
T 「そんなに見たいのか~。
仕方ないな~」
私、O 「・・・」
我々は半強制的に案内された。
部屋は、さすが見せたがっているだけあって、
とても綺麗だった。
物は整理され、
オーディオ機器と、
クラシック音楽のCD達が、
整然と並んでいる。
私 「ところで、押入の中はどうなってるの?」
T 「いや、あの、その・・・」
中にはそれはそれは美しい世界が
広がっていた。
私 「なんかSFディストピア社会みたいだな・・・。
清潔で未来的なビルが立ち並ぶ一方で、
町の端にはスラムが形成されているみたいな」
社会の矛盾はスラムに、
そしてその家の矛盾は押入に
現れるのであった。
その後、我々は大掃除に取りかかった。
T 「これは思い出の品でなぁ」
O 「大切なのは過去ではない。
未来だ」
私 「そうだそうだ!」
T 「オラァ!(投げ捨てる)」
ガシャン!(思い出が砕け散る音)
その後も同様の事が続いた気がする。
だが、大量の思い出が破壊されたT氏は
段々精神に異常をきたし始めた。
T 「あー、しんどい。
しんどいしんどい~(ウィスキーを飲み始める)」
O 「えっ」
私 「えっ」
T 「ああ~、おいしい~」
T氏は脱落した。
また、私は物を整理するのは得意だが、
実務能力が皆無だった。
なので手続き系の仕事は、
几帳面なO氏が担当することになっていた。
だが、途中で未手続きの
大量の書類が出土する。
O氏はその有様にショックを受け、
現実逃避を始めた。
人員が不足している。
そこで友人のK氏にも声をかけた。
K 「楽しそう。行きたい」
T 「でももううち人いっぱいだしな。
1人追い出してくれればいいよ」
O 「じゃあTだね」
私 「T氏しかいないな」
T 「えっ」
私 「家主がいなくても家は残るからね」
O 「出て行きたまえ」
T 「えっ」