一昨日は同じ監獄で育った友人、監獄フレンズのE氏、F氏と会った。
F氏は地方から帰ってきたところだった。
F 「山が・・・ない?」
私 「ああ、ここは東京だ」
F 「あ、ビルがある・・・」
私 「ああ、ここは東京だ」
F 「人もいる・・・
向こうには動物しかいなかった。
怖かった・・・」
私 「もう大丈夫だ、ここは東京なんだ」
友人は大きな心的外傷を負っていた。
直ちに東京セラピーが必要だ。
その後、E氏と合流して会を開いた。
E 「今日はメーデーだから労働者はみな休んでいるはずだ」
私 「では、今日労働している人はどうなるんだろう。
労働者とは一体・・・」
E 「新聞に五月病を防止するためにゴールデンウィークを廃止しよう、という愚かな記事があった」
私 「それは愚策だな。
もっと抜本的な解決策が必要だ。
ゴールデンウィークでなく、五月を廃止しよう」
F 「それ一体どうなるの?」
私 「四月の後に六月が来る」
E 「六月病の誕生だな」
F 「今度同窓会があるらしい。
タイムカプセルを開けるそうだよ」
私 「パンドラの箱が開くな・・・」
E 「ぶっだは行くの?」
私 「行くわけがない。
だが、友人にタイムカプセルの爆破処理を頼んだ。
全てを破壊してきて欲しい。
私の生きた痕跡を消してきて欲しい、と」
F 「Eさんは行くの?」
E 「僕はその頃、留学していた。
僕には思い出すらない・・・」
私 「そういえば、Eの部活の人達は毎年同窓会やってるよね?
やはり行ってるの?」
E 「いや、その会が毎年行われていること自体知らなかった」
私 「そうか」
展覧会の話になった。
F 「ミュシャ展に行ってきた」
私 「どうだった?」
F 「ミュシャだった」
E 「前にぶっだがミュシャミュシャしてたと言っていたが、情報量二倍だな」
E 「そういえば僕は始祖鳥展に行ってきた」
私 「どうだった?」
E 「串焼きにみたいにされた鳥たちが無造作に置かれてた。
何これ、食うの?って感じだった」
E 「先日、先生からもっと素直な文章を書きなさいって怒られた。
素直な文章って何だろうな」
私 「君がTwitterで吐き出していることだよ」
E 「な、何を言っているんだ・・・?
それはきっと僕じゃない誰か別の人だよ」
私 「うん、何でもない・・・」
その後、Twitterの話になった。
E 「Twitterは下水だ」
私 「いや、違う!
私が本当の下水というものを見せてやる!」
私はマストドンを開いた。
そして濁流のように流れる連合タイムラインを見せた。
E 「ナニコレ・・・」
F 「吐きそう・・・」
私 「Twitterが綺麗な湧き水に見えるだろう?」
本の話になった。
私 「ラ・ロシュフーコーの本がおすすめだよ」
F 「どんな本?」
私 「読むと人間不信になる」
E 「そんな本、どうやって知るの?」
私 「普通に生きていたら当然に知るはずだよ。
人生という道の真ん中に落ちていた」
E 「そんな本落ちてなかったぞ」
私 「そんな馬鹿な・・・
落ちてたよね、F?」
F 「いや・・・」
どうやら私と彼らの人生の道は、
思ったほど近くには無かったようだ。
F氏が哲学の本を読もうとしていたので、
E氏が取っつきやすい哲学書を紹介していた。
F 「僕に読めるだろうか?」
E 「大丈夫、日本語で書いてあるから理解できるよ」
私 「この前見せてもらった君の論文、
日本語で書いてあるのに何一つわからなかったよ」
E 「あれから手直ししてわかりやすくしましたー。
ダイブカンタンニナリマシター!」
私 「アア、ソウデスネー!」
E 「自分の書いた論文を読んでいると面白くて仕方がない。
一体こんな面白いものを書いた人は誰なんだろう?
と著者を見てみると、いつも自分の名前がある」
私 「すごいパワーを感じる」
その後、同級生が新興宗教にはまってしたことが、
話題に上がった。
E 「一体どうして新興宗教なんか入っちゃったんだろう」
F 「うーん、新興宗教はちょっとな・・・」
私 「私は周りからぶっだと呼ばれているよ」
2人 「あっ・・・」
私 「私を信じろ」
そして2人の人生の道がますます遠ざかっていくのを私は感じた。