だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

一人暮らしの始め方

もうじき4月がやってくる。

試練の時が近づいてきた。

多くの若者が1人暮らしを

始める季節だ。

若者は成年に達したら、

必ず1人暮らしをしなければならない。

そうでなければ1人前の戦士として

認められない。

族長から話は聞いているな?



この春、20歳に達したあなたは、

密林へと放り出される。

そしてこれから数ヶ月間、

1人で生きていくことになる。

全てを自分の力だけで

やらねばならない。



まず初日にやるべきことは、

拠点を確保することだ。

日が落ちるまでに、

仮の住まいを作らなければならない。

そうでなければ無防備のまま 

森の原初の闇が襲いかかる。

実際、毎年多くの男達が

これでやられた。

初日で半数が死ぬ。

心して生き残ろう。



では、どうやって仮の住まいを作るか?

まずはしっかりとした木を探すことだ。

見つけたか?

ナイフは持ってきているな?

それでできるだけ太い枝を切り落とせ。

いいぞ!

次はツタを切り取ろう。

その調子だ!

あとはそれらを組み合わせて、

住まいを作れ。

上出来だ!



こうした作業を終えたあたりで、

恐らく日没に達するだろう。

これでなんとか初日は生き残れる。

食糧確保はまた明日だ。

村から持ってきた干し肉をかじって眠れ。

1日目はそれでいい。

ゆっくり休もう。



1人暮らし2日目の朝。

今日は食料の確保だ。

獲物を狩るために、

武器を用意する必要がある。

昨日の木でまた太い枝を切り落とそう。

そして先端を削り、槍にするんだ。

できただろうか?

ダメだ!

もっとだ!もっと鋭く!



しばらく先端を研ぎ、

蟻の眉間を打ち抜ける鋭い槍ができた。

おっと、ここで野生の

ヴェロキラプトルが現れた。

さぁ、狩りの始まりだ!

思いっきり突き刺せ!

外した!

ヴェロキラプトルの鋭い

クロス爪カウンターが決まる!

あなたの肩から血が吹き出す!

大丈夫か?!

ここは一端体制を立て直そう。

雄叫びを上げ、

土を相手の目に投げつけて、

全力で逃げ出せ!



・・・なんとか振り切ったようだ。

だが、血が止まらない。

血液がどんどん失われていく。

このままでは命はない。

ここで思い出して欲しい。

村の長老から

「本当に困った時に開けろ」

と、渡された袋のことを。

今がその時だ。

袋を開こう。

すると中から、紫色の液体が入った

小瓶が出てくるはずだ。

それは村一番のシャーマンが煎じた薬だ。

こいつはよく効く。

一気に飲み干せ。

味は感じるな。

そうすれば森の恵みが、

あなたの傷を癒す。



さぁ、これで準備は整った!

ヴェロキラプトルにリベンジだ!

油断した獲物を発見する。

だが、向こうにも気づかれた!

しまった!

襲いかかる爪!

しかしそれを華麗にかわす!

上出来だ!

クロス槍カウンターが心臓を貫く!

やったぞ!

こうしてあなたは食糧を得た。

これで2日目も生きていける。

さぁ、それでは夕食の準備だ。



だが、残念ながら、

助言できるのはここまでだ。

あとは自らの頭を駆使して、

サバイバルして欲しい。

そうでなければ1人前の戦士にはなれない。

族長の娘とも結婚できない。

自分の力を信じろ。

森の声を聞け。

健闘を祈る

#私の一人暮らし

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