だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

ゲームで学んだ資本主義の論理

今週のお題「ゲームの思い出」

ゲームの思い出は古い。

子どもの頃から嗜む程度には、

ゲームをやってきた。

だが、ゲームソフトは子どもにとって、

あまりにも高価な代物だ。

私は経済上の理由から、

安価なソフトを求めた。

質などどうでも良い。

そして私はフリーマーケットという闇市場で、

わずか数十円の得体の知れないゲームを

入手するようになった。

ここらへんから人生の道を

踏み外したような気がする。


その内のいくつかは記憶に残っている。

名前は覚えていないが。


例えばこんなRPGがあった。

普通RPGというと、世界を救うために

勇者が魔王を倒しに行くのが王道だ。

しかし、このゲームはその逆で、

ヒャッハーな勇者一行に

家族を殺されたスライムが、

勇者と人間への復讐を誓うものだった。


他には、平安京に攻めてきた宇宙人と、

陰陽師が戦うというゲームもあった。

平安SFシューティングゲーム

形容矛盾めいたジャンルだ。

陰陽師は何だって倒せることを知った。

  

だが、一番記憶に残っているゲームがある。

そのゲームの舞台はやはり平安時代

プレイヤーはまず、主人公を選択する。

キャラクターは、農民、武士、

巫女、陰陽師、忍者など様々だ。

だが、彼らの横にはこんな数字があった。

300文、600文、1000文・・・。

試しに一番数字の大きい忍者を選択すると、

ブブー!と言って拒否された。

なんと、このゲームはキャラを金で雇い、 

敵と戦うゲームだったのだ。

敵である妖怪達に破れれば

ゲームオーバーなのはわかる。

だが、いくら人がいても、

金が尽きれば人材を雇えなくなり、

人類は滅亡する。

私は子ども心にショックを受けた。

人類の危機が迫っているのに、

立ち上がりもせず、

金を求めるのか?

所詮この世は金なのか?

突如として説明書なき

資本主義というゲームが始まってしまった。

これには大いに狼狽した。


ともあれ、動揺しながらも

ゲームをスタートした。

序盤、妖怪は意外とサクサク倒せた。

しかし、すぐに資金繰りに悩み、

従業員に給料が払えなくなって、

人類は滅亡した。


私は起業した若手コンサル社長のように

必死に対策を考え、

そしてソリューションを見いだした。

それは、妖怪は放置し、

民家を略奪してお金を稼ぐというものだ。

都では魑魅魍魎が跋扈し、

村には金で雇われた農民が攻めてくる。

末法の世である。


また、ゲームを進めていく中で

学ぶこともあった。

確かに、彼らは金を払わなければ、

誰も動いてくれない。

しかし、逆に言えば、

金さえ払えばどんな無茶なミッションも

ホイホイついてくる。

いくら使い捨てても、

求人はなくなることはなかった。

彼らを消費している内に、

段々こんなメンタリティが生まれてきた。

「ま、いくら退職してくれても構わんよ。

代わりはいくらでもいる」

こうして我が社は暗黒平安ブラック企業と化した。

日本最古のブラック企業である。