昨日、食当たりにあった話を書いた。
あの後も食当たりは、
なかなか治らなかった。
だが、苦しんでばかりもいられない。
そこで私はいくつかの治療法を考え、
試してみた。
その1つを紹介しよう。
それはこういうものだ。
今、自分は食当たりで、
とても気持ちが悪い。
だが、自分よりもっと
気持ち悪くなっている人を見れば、
相対的に自分は気持ち悪くなくなるのでは？
そう思いつき、私は試しに毒蛇に噛まれた人の
インタビューなどを読むことにした。
毒蛇に噛まれたら、食当たりとか
目じゃないほど気持ち悪くなるだろう。
人呼んで毒蛇療法。
毒をもって毒を制す。
これはいけるかもしれない。
だが、実際に試してみると、
思ったようにはいかなかった。
インタビューは、
毒蛇がすごい勢いで追いかけてきたとか、
気づいたら噛まれたとか、
明るい話がほとんどない。
あと、とある毒蛇研究者は、
研究途中で毒蛇に噛まれ、
自分が助からないことを悟る。
しかし、後生の研究に役立てるため、
自分が死ぬまでの経過を克明に記録し、
そして息絶えたというエピソードもあった。
研究者の鑑のような人だ。
それにしてもこういう記事は、
本当に毒蛇被害者が多い。
毒蛇に噛まれた率は、
ほぼ100パーセントだった。
いや、当然なのだが。
また、彼らの食後感、いや、被食後感は、
すごく痛いとか、
めっさ気持ち悪くて死にそうとか、
とてもつらそうである。
こんな物を読んでも気分が
好転するわけもない。
私はますます気が滅入ってきた。
ここに来て、私はあることに
ハッと気づいた。
もしかしたら私も毒蛇の毒に
やられているかもしれない。
空気感染する毒もあるくらいだし、
ネット感染する毒があってもおかしくない。
こうしたネット記事を媒介して、
ブラックマンバの毒が体内に
流れ込んできても不思議ではないだろう。
もう、助からないかもしれないな・・・。
私は覚悟を決めた。
だが、私は先ほどの毒蛇研究者を思い出した。
そうだ、私も死ぬまでの過程を
克明に記録しよう。
後生の人が同じ過ちを繰り返さぬように。
そして今日の記事が
出来上がったというわけだ。
とりあえず私から言いたいことは1つ。
毒蛇療法は効かない。
あとブラックマンバは怖い。
それだけだ。
