だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

過酸化水素水の思い出

占いを見ていたら、

今日のラッキーアイテムは

過酸化水素水だったので、

今日は過酸化水素水について書こう。


過酸化水素水と聞いて

真っ先に思い出すのは、

小学校の理科の時間だ。

恐らくみんなも習ったと思う。

たしか別名はオキシドールだった。 

それに二酸化マンガンを入れると、

酸素が発生するという話だ。

だが、その実験は、

とても退屈なものだった。

過酸化水素水の見た目は

水と変わらないし、

それになんか鉛筆の芯を

砕いたような粉を入れ、

おしまいである。

酸素が発生しているかどうかも

パッと見では何もわからない。

私はそれを見て、幼心に思った。

「なんて地味な液体なんや。

それよかニトログリセリン

パァッとぶちあげようや」

爆発しない実験なんて、

実験ではない。

こんな地味な物から始まる

理科という科目に、

私は絶望したものだ。


だが、そんな過酸化水素水観

根底から揺るがす事件が起きた。

それは社会の時間の時のことだ。 

その時はたしか環境破壊についての授業だった。

先生によれば、 

どうやら地球は二酸化炭素が増え、

酸素が減っているらしい。

そしてこれが様々な

地球的問題を引き起こしている。

酸性雨が降るのも、

森林が減っていくのも、

松永君が授業中に消しゴムを投げてくるのも、

これが原因なのだ。

本当に由々しき問題である。


しかし、そこまで理解したところで、

私はハッと気づいた。

「そや!過酸化水素水や!

過酸化水素水で酸素を作るんやで!」

世紀の大発見の瞬間だった。

そして、何の関係もないかに見えた

理科と社会がつながった瞬間でもあった。

私は地球問題を解決すべく、

すぐに薬局へと向かった。


だが、薬局で私を待っていたのは失望だった。

どうやら小学生は

過酸化水素水を買えないらしい。

しかも売っている過酸化水素

驚くべき濃度の低さだった。

その数なんと3パーセント。

私はそれを見て、幼心に思った。

「なんで3パーセントなんや。

消費税とちゃうねんで」

これではどのみち世界は救えない。

私は心底落胆したものだ。


その後調べてわかったことだが、

100パーセントの過酸化水素水は、

どうやら魚雷などに用いられているらしい。

なんということだろうか!

夢の爆発実験ができるではないか!

過酸化水素水は地味な液体ではなかったのだ!

それなのに売ってもらえない。

一粒で二度悔しい。

地球救済も夢の爆発実験も断たれ、

ここで私の科学者としてのキャリアは

完全に終わった。

そして理科という科目に絶望し、

永遠に背を向けるかと思いきや、

その後の昆虫の章が面白かったので

得意科目になった。

過酸化水素水?

何それ?

時代はやっぱりカナブンでしょ。

そしてその後、

過酸化水素水はすっかり忘れ去られ、

今日初めて思い出した。