突然だが、目に良い果物と言えば何だろうか?
そう、ブルーベリーである。
ブルーベリーは目に優しいことで有名だ。
昔、その話を聞いて、
視力を良くしようとブルーベリーを
食べ始めたことがある。
しかし、実際に目を良くするには、
膨大な量のブルーベリーを
食べなければならなかった。
ブルーベリーを食べる機械と化す必要があった。
だが、果たしてそれでいいのだろうか?
こんなちっさい毒みたいな色の実を
食べるだけの人生でいいのか?
もっとビッグな何かを食べるために
生まれてきたのではないか?
そんなことを考え始め、
ブルーベリーは諦めた。
それから長い時間が経った。
目を良くすることなんて
すっかり忘れていたが、
最近、新たな解決策を見いだした。
それがサプリメントだ。
ルテインというのは、
視力回復に有効な成分らしい。
それを凝縮したサプリメントなら、
手っ取り早く目を良くできるのだ。
私は早速ルテインを飲み始め、
その効果を友人に宣伝した。
私 「ルテイン、実に良いよ。
君も是非やってみなよ」
友 「どうかな。目は良くなった?」
私 「ああ、かなり良くなった。
たとえばあそこの看板の文字も見えるぞ」
友 「すごいな、俺はさっぱりだ」
私 「その次の看板も見える」
友 「ほんとかよ」
私 「それだけじゃない。
あそこにビルがあるだろ?
あの13階にいる男が
いま唐揚げ弁当を食べているのも見える」
友 「適当に言ってるだけだろ・・・
それに視力を上げたいなら、
おとなしく眼科へ行け」
私 「隣の駅で高校生がやっている
ニンテンドーDSのソフトも見える」
友 「前言撤回、精神科へ行け!」
というわけでルテインの布教には失敗した。
他にも色んな人に
「ルテインを食べると未来が見えるようになる」
「見たくなかった物も見えるようになる」
などと勧めたが、
誰もルテインを始める者はいなかった。
残念だ。
本当のことを言ってしまうと、
飲み始めて数日経つが、
視力が上がった感じはしない。
そうそううまい話はないものだ。
ただ、
「最近よく肩が凝るなぁ」
と言っている人のの背後に
女性がのしかかっているのが
見えるようになったり、
花束が添えてある電柱の下に
男の子がずっと立っているのが
見えるようになったりした。
ルテイン、スゴイ。