あるところに男がいた。
男は力もなく歩いていた。
途中、ふとガラスに映った自分の姿が見えた。
そこにいたのは疲れた顔をした中年だ。
男は思った。
「一体なんてツラをしてやがるんだ、俺は。
だが無理もないな。
来る日も来る日も同じ仕事。
ただ流されるままに、
惰性で生きているだけなんだ。
年月ばかりが無駄に過ぎていく。
しかし、果たしてこのままでいいんだろうか?
これで生きていると言えるのだろうか?
いや、言えない。
そう、このままじゃいけないんだ。
こんな生活を変えよう!
今日から違う俺になるんだ!」
男は生まれ変わるべく
新しい一歩を踏み出した。
すると突然、後ろからグッと肩をつかまれた。
「あっ、こんな所にいやがったのか!
さぁ、早くお菓子にありがとうと言う仕事に戻るんだ!」