今日は首を寝違えた。
寝違えた理由はハッキリしている。
枕を2倍使えば2倍眠れるという理論に基づき、
枕を重ねて寝たのが原因だ。
理論上はこれで体力全快になるはずだった。
だが、実際には首を痛めただけであった。
理論と現実の哀しき落差である。
寝違えた症状としては、首をすっと伸ばすと、
首の後ろ側に激痛が走るというものだ。
おかげでやや首を突きだし、
前傾気味に歩かねばならなかった。
今日はそんな姿勢で1日を過ごした。
友人と会ったら早速そのことを尋ねられた。
「ぶっだ、どうしたの?
クロマニョン人に退化したの?」
どうやら類人猿ウォークになっていたらしい。
不都合な点は他にもある。
このような卑屈な姿勢でいると、
上から目線ならぬ、下から目線で
物を見るようになった。
すごい人を見ると、
「へ、へ、やっぱり旦那はあっしらのような
下男とは違うんでさぁ」
などと卑屈な気持ちになった。
また様々な卑しい考えも生まれた。
「今年1年分の米は懸賞に応募して手に入れる」とか、
「雨水を貯めれば水道代がゼロになる」
などといったものだ。
全ては姿勢の悪さに起因している。
何でも形から入ることが大切、とよく言われる。
しかし、それは裏を返せば、形が壊れれば、
全ての物は崩壊するということだ。
姿勢が崩れると思考もダメになるのである。
ここまで書いたところだけ見ると、
寝違えることはデメリットしかなさそうに見える。
だが、もちろん悪いことばかりではない。
視線を下に転じていると、
これまで見えなかった様々なことが
見えるようになった。
吐き捨てられたガム、タバコの吸い殻、
鶏のフン、どんぐり等々・・・。
うん、悪いことばかりだ。
寝違えることにメリットはなし。
それが今日の結論だ。