家の近くに少し雑草が生えてきた。
なのでそれらを処理することにした。
外はすっかり夏だ。
暑いし手早くやっつけようと思ったが、
よく見ると意外にきれいな雑草も
あるではないか。
私は気になったので、家の中から
植物図鑑を持ってきた。
そしてそれらを調べていった。
雑草には様々な種類がいた。
小さな赤い花を咲かせる雑草、
クローバーのような葉を持つ雑草、
見栄えのしないものから、
美しいものまで、たくさんの種類があった。
それらには1つずつ名前がついており、
きちんと歴史を持っていた。
私はその物語に心を魅せられた。
よく雑草という名の草はないと言う。
それは事実だ。
どの草にも正しい名が存在し、
雑草という名称のものは何もない。
どれもみんな違うのだ。
違いがあって個性がある。
私はその事実に感動した。
そして感動しながら、
除草剤を撒いた。
翌日、雑草は全て枯れた。
やっぱりみんなただの雑草だった。