先日は友人のE氏とミネラルフェスタへ行ってきた。
ミネラルというのだから、
健康に優しい一大ヘルシー食品売場を
想像するかもしれない。
だが、そうではない。
これは鉱物とか、宝石とか、
そういう意味でのミネラルだ。
様々な鉱物が売り出されるイベントである。
当日、集合場所でE氏と合流した。
その日はとても暑かった。
E氏は真っ白な扇子を取り出した。
見ると所々ラメのようなものが入っており、
和紙だというのがわかった。
うーむ、良い和紙を使っているな。
私は、扇子をほめちぎろうとした。
私 「お、その扇子!」
E 「あ、これね。ダイソーで買った」
私 「・・・やっぱりなー。
ちょうどそうだと思っていたところだよ」
そう、本当のところは、すべてわかっていた。
本物の和紙なんか使っているわけがない。
こんなものは誰がどう見たって安物だ。
間違いようがない。
会場までの間は最近読んだ本の話をした。
とても道徳的で良いこと言ってるなぁと思った」
私 「やはりお札になる人は違うな」
E 「でも感心して調べてみたら、
渋沢には愛人が5人もいた」
私 「まぁ、論語も愛人は5人までって言ってるよね・・・」
そんなこんなで我々は会場に着いた。
場内は色とりどりの鉱物で満ちあふれていた。
いるだけでワクワクしてくる。
順を追って見ていこう。
これはすごい。
なんと、ミネラルの上に
ミネラルが乗っているではないか。
きっとミネラルヒエラルキーの頂点に君臨する、
偉大なミネラルなのだろう。
畏敬の念を感じる。
石狂いTAKAのお店。
なんだろう、呪いの石でも拾ったのだろうか・・・
勇気が出なかったので、
我々は静かに立ち去った。
天☆誅!
これはきっとパワーストーンだ。
この石を手に持ち、念じれば、
学校の先生や、会社の上司とかに
天罰が下るのだろう。
どんなに高くても、是非買っておきたい代物だ。
だが、よく見てみると、
天誅ではなく、天珠(てんじゅ)という
宝石の種類のことのようだ。
残念である。
このように、魅力的な店がたくさんあり、
全部はとても紹介できない。
なので最後に1つだけ取り上げよう。
私が目をつけたのはこれだ。
アンモナイトである。
断固として自分という殻に
引きこもり続けるその生き様には、
共感せざるを得ない。
私が他に親近感を感じる生き物なんて、
是非とも我が家にお迎えしたい。
私はすぐに財布を開いた。
しかし・・・
私 「う・・・」
財布の中には誰もいなかった。
福沢先生も、樋口先生も、
グッチーもいない無人地帯であった。
あるのは銀色の若葉や桜とか、
得体の知れない茶色い寺ぐらいだ。
まるで私の財布の中は、
人類滅亡後の終末世界だ。
人の姿はどこにもない。
後に残された建築物と緑だけが悲しく繁茂する。
そうか、未来はこんなに寂しい世界だったのだな。
私は静かに財布を閉じた。
だが、そんな暗雲が立ちこめる中、
にわかに光が射し込んだ。
E 「おい、こんなのがあるぞ」
私 「ミネラルフェスタ・・・ガチャ?」
なんと、アンケートに答えるだけで
ガチャを回せるらしいのだ。
そうだ、ガチャを回そう!
当たりを引いて金券をいただこう。
そしてアンモナイトをもらうんだ!
私はアンケートに答え、
勢いよくガチャを回した。
そして出てきた玉は・・・
・・・出た!赤玉だ!
まるで赤サンゴのように美しい赤。
特賞である。
特賞を取ると、そこらへんに転がってる
飴玉を1個もらえるのだ。
私は店員からなぜか哀れみの目を
向けられながら、
飴玉(マスカット味)をもらった。
私 「やった!今日はちょうど
ミネラルフェスタに来て、
飴が食べたかったところなんだよ!
だから全然悔しくないよ!」
E 「来た甲斐があったな」
私 「ああ!」
私はもらった飴玉(マスカット味)を
会場を後にした。