だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

冬の夜の怪談

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それは、とある群馬の古い温泉街の一角。

入り組んだ通路を進んでいく。

すると、不意に一本道にたどり着く。

薄暗く、奥までスーッと続く細道。

まるで底なしの深淵に続いてそうな道だ。

 

そこは「出る」と噂の有名スポットである。

この前群馬に行った時、

私はそこにたどり着いてしまった。

恐ろしいあの場所へ・・・

 

足を踏み入れた瞬間、

空気が変わったのがわかった。

温度がぐっと下がって、冷気が流れる。

しかも悪いことに、時間は真夜中だった。

辺りはしんと静まり返り、

物音一つ聞こえない。 

生き物の気配も全くない。

そう、「何か」の気配を除いて・・・

 

私がそれに気づいたのは、

通路の三分の一も進んだ頃だろうか。

周りに人は誰もいなかった。

なのに、後ろから、

ひたり、ひたり・・・

と何かがついて来るような、

そんな気配がした。

 

「まさかな、気のせいだろう」

 

私はそのまま歩いた。

するとやはり、

ひたり、ひたり・・・

と気配がついて来る。

そして私が止まると、

「それ」の足もピタリと止まるのだ。

 

私はじっとりと冷や汗をかき始めた。

これは気のせいなんかじゃない。

「それ」は確実に後ろにいる。

それもすぐ後ろだ。

だが、振り返ることなど恐ろしくてできなかった。

 

私は重々しい足取りで先を進む。

重圧がどんどん迫ってくる。

通路の冷気も増して、もう凍えそうだ。

 

だが、ふと思い立った。

このまま進み続け、

出口のエレベーターに至った時、

どうなってしまうのだろうか。

必然的に「それ」とエレベーターに

入ることになる。

だが、「それ」とエレベーターに入ることなど、

死と同義である。

そうなる前に「それ」を、

なんとかしなければならない。

 

もはや選択の余地は無かった。

振り返るべき時が来たのだ。

私は歩みを止めた。

すると後ろの「それ」もピタリと止まった。

そのまま全く動かない。

 

心拍数が上がってきた。

体中の全ての細胞が

「振り返るな!」

と告げている。

だが、もうそうするほか無いのだ。

 

私はとうとう意を決した。

そしてそのまま勢いよく振り返った。

 

 

そこにいたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 


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ぐんまちゃん。

群馬が誇るご当地公式マスコットキャラクターである。

 

 

 

 

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