だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

におひの思いで

今日のお題は「すごいニオイ」だそうだ。
いきなり本題から逸れるが、
私は小学校の時、アロマテラピー
はまったことがある。
といっても、アロマテラピー
厳密に何を意味するかは、よく知らない。
とりあえずここでは、
「いい感じの匂いを吸ってハイになること」
と定義しておこう。

当時、小学校では、いい感じの匂いが流行っていた。
例えば、様々な匂いのついた練りけしである。
そのバリエーションは豊かだった。
コーラやラムネといったものから、
りんごや桃といったフルーツ、
チョコレートやバニラなどのフレーバーもあった。
みんな色とりどりの練りけしを持っており、
とても羨ましく思ったのを覚えている。

残念ながら私はお金をあまり持っていなかった。
だが、当時武器商人だった私は、
芯を内蔵した改良型の強化新聞紙ブレードを売り、
いくつもの練りけしを得た。
知恵と技術の勝利である。

好きな匂いの練りけしは、
だいぶ集まった。
だが、1つ良いことを思いついた。
全ての好きな物を1つにすれば、
最強のものが作れるのではないか?

私は早速、全ての練りけしを1つにまとめた。
だが、それだけではない。
こんな人工物だけでは「本物」ではない。
もっとオーガニックな天然素材も、
取り入れていかねば。

この生来の健康志向が災いをもたらした。
私はコーラの練りけしだけでなく、
本物のコーラを微量入れた。
そして果物についても、
同じことを行ったのだ。
私はそれを小さい小物入れに入れ、
お道具箱にしまった。
小学校において、お道具箱に入れるとは、
忘却を意味する。
翌日には練りけしのことなどすっかり忘れ、
ドッジボールなどにうつつを抜かしていた。

そして長い時が過ぎた。
気づけば数ヶ月の時が経ち、
紅葉が綺麗な秋の季節になった。
学校では秋の清掃キャンペーンが始まり、
道具箱の掃除を命じられた。
そしてパンドラの箱が開かれたのだ。

私は練りけしXと数ヶ月ぶりの対面を果たした。
だが、その時の私は、
しめた!と思った。
ワインは年を経るごとに熟成が進み、
香りが良くなるという。
練りけしXも同じだ。
時間は確実に味方する。
私は待ちに待った練りけしXのふたを開けた。

ドブ川で取ったザリガニみたいなにおいがした。

その日の学校の帰り、
私は焼き芋をやっていたおじさんのたき火に、
それを投げ込んだ。
物体Xはハイになった。
これがアロマテラピーである。


「すごいニオイ」#ジェットウォッシャー「ドルツ」


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