今日はクリスマスイブである。
1年に1度のビッグイベント。
こうした日には七面鳥やパイ包みで
贅沢なディナーを楽しみたいところ。
しかしながら、今日はちょっとした手違いで、
夜ははなまるうどんで
讃岐うどんディナーをしてしまった。
残念ながらクリスマスイブと呼ぶには、
程遠い代物だ。
だからこそ、せめて食後の
ケーキタイムは奮発したい。
そこで私は帰りにスーパーで、
ケーキを揃えることにした。
スーパーへ行く途中、
私は数多くのサンタに出会った。
彼らは皆、苦しそうな顔をしながら
ホールケーキを売っていた。
本来は気兼ねなくプレゼントを
分け与えるはずのサンタが、
マッチ売りの少女レベルまで
生活難に陥っている。
きっとトナカイももう動物商に
売ってしまったことだろう。
貧しい時代になったものだ。
きっとこのサンタ達はこの後、
売れないケーキに火を灯し、
華やかな夢を見ながら昇天するだろう。
私は目をそらしながら、その場を去った。
そうこうしながらスーパーへたどり着いた。
そこでは色とりどりのケーキが並んでいる。
せっかくクリスマスイブだし、
豪勢にいきたいところ。
私は一番高いケーキを探していると、
ふと半額シールの貼られたケーキを見つけた。
いいじゃないか・・・。
これにしよう。
ケーキはこれに決まった。
あとは高級シャンパンだ。
クリスマスといえばシャンパンは必須だ。
シャンパンのないクリスマスなど、
クリスマスとは呼べない。
それは例えるなら醤油のない冷奴のようなものだ。
私は一番高いシャンパンを探した。
だが、途中でシャンメリーが目に留まった。
皆さんはシャンメリーをご存知だろうか？
こいつはシャンパンを模したまがい物である。
ナナホシテントウムシに擬態した、
ニジュウヤホシテントウのような存在だ。
アルコール分すら全くのゼロ。
文字通り、子ども騙しの貧弱な飲み物である。
こんな物を飲むのは愚かな子どもぐらいだろう。
だが、私は愚かな子どもだったので、
シャンメリーが大好きだった。
これにしよう。
こうして準備は整った。
家に帰ると、この世の贅を尽くした
豪華なクリスマスイブが始まった。
それでは輝かしいラインナップを紹介しよう。
半額ケーキ 350円(50％Off)
シャンメリー 148円
以上だ。
ワンコイン クリスマスイブであった。
