うちの鍋がだいぶ傷んできた。
買ってからもう何年も経つ。
そろそろ寿命かもしれない。
というわけで新しい鍋を買うことにした。
せっかく買うのだから圧力鍋が欲しい。
だが、価格を調べてみると、
結構なお値段になりそうだ。
なかなか手が出せそうにない。
そこで今回は同調圧力鍋を買った。
同調圧力鍋といっても、
構造は基本的に普通の鍋と同じ。
というか全く同じだ。
問題は使い方である。
同調圧力鍋は、気体の圧力の代わりに
同調圧力を用いる。
野菜心理学などに基づき、
食材の心理面に揺さぶりをかける。
そして食材は精神的に追いつめられると、
通常の数倍のスピードでぐんにゃりする。
要するに人間と同じだ。
たとえば
「ねぇねぇ、にんじんさんにんじんさん。
白菜さんとかはもう火通ってるよ?
なんで君だけ通ってないの?」
とか、
「豚肉さん豚肉さん。
君以外の肉はみんなもう柔らかくなってるよ?
早く火通った方がいいんじゃない?
もう君だけなんだから」
などと同調圧力をかける。
すると、普通の圧力鍋の何倍もの
心理的プレッシャーがかかり、
あっという間に出来上がりだ。
とりわけ日本で生まれ育った
国産食材には、効き目抜群である。
また、できた料理には、食材の一つ一つに
とても気持ちがこもっている。
普通とは違った味わいになるだろう。
皆さんも是非同調圧力鍋を買おう。
心を込めて料理を作ろう。
すると、とても不味い。