今日は唐突に真冬のような寒さが訪れた。
予報によれば東京にも雪が降るようだ。
雪が積もったら何をしよう?
そうだ、かまくらを作ろう。
そういえばここ数年、
ずっとかまくらを作っていなかった。
積もりに積もったかまくら欲を、
積もりに積もった雪で晴らすのだ。
いざかまくら!
私は御家人のごとく今日という日を出迎えた。
だが、ふたを開けてみると、
降ったのは雪ではなく、みぞれだ。
外は水とみぞれで、ぐしゃぐしゃである。
このままではかまくらが作れない。
鎌倉幕府崩壊の危機である。
呼ばれる私は、この満たされない
かまくら建造欲求に苦しんだ。
どんなに小さいものでもいい。
かまくらを作りたい。
そこで私が目を付けたのは、
アイスの雪見だいふくだ。
あれは使える。
かまくらに必要な要素が、
ほぼ全て揃っている。
あとは入り口を作り、
そこから中身をくり抜いていくだけだ。
私はスーパーで雪見だいふくを買ってきた。
さぁ、気を取り直して、
いざかまくら!
私はかまくらの建築に取りかかった。
当初は予想建築時間は20秒とされていた。
だが、これが存外難しい。
まず、皮が破りづらい。
なんだかんだてこずってる内に、
入り口がぐしゃあ、
と全体の半分近くあいてしまった。
これでは鎌倉は守れない。
その状況下でさらに内部空間を
くり抜こうとしてみたが、
まるでうまくいかない。
そうこうしている内にアイスが溶け始めた。
そしてかまくらは、
ふにゃあ、と潰れていった。
鎌倉幕府滅亡である。