だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

運び屋の仕事

今日はとても表では大っぴらに

言えないようなものを運んだ。

ビニール袋に入れて、

静かに、慎重に。

誰にも言えない仕事だ。

 

しかし、私は最初で

ドジを踏んでしまった。

中身スケスケの半透明ビニール袋を

選んでしまったのだ。

そしてその代償は、早速

電車内で受けることになった。

 

電車に乗車し、揺られていると、 

ふと、刺すような視線を感じた。

周りを見渡すと、乗客が何人も

猛禽類のような目で、 

ブツを凝視している。

まさか、、、気づかれたか・・・?

 

迂闊だった。

アタッシュケースなどの

中身をがっちりガードするタイプの

ものにすればよかった。

 

私は一瞬たりとも目を離さなかった。

おかげで、何とか奪われずに済んだ。

 

電車を降りてからも、

試練の時は続いた。

 

通る人みながこちらを見た。  

「そのブツの話を、ちょっと

聞かせてもらおうじゃねぇか」

と顔に浮かぶ者もいた。

子どもに指を指されることすらあった。

 

だが、私は速歩きで、

何とか彼らを振りきった。

 

こうして私は無事、

運び終えることに成功した。

 

マスク1箱を。

 

 

 

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