今日は面白いお茶漬けを買ってきた。
その名も、うに茶漬け。
山の幸と海の幸との出会いである。
お互い、こんな所で出会うとは、
微塵も思っていなかっただろう。
そしてもちろん、私という
第三者と出会うことも。
ともあれ、彼らは私と
出遭ってしまったがために、
家に連れてこられることになった。
家に帰った私は、うに茶漬けに対し、
熱湯をかけるなどの拷問を行い、
味の方を厳しく尋問した。
まずは一口食べてみた。
・・・わさびの味がした。
一体どこから来たのだろう、
このわさびは。
呼ばれてもいないのに
パーティーに参加してくるような、
私の苦手なタイプだ。
あといたのは海苔。
海苔も少し入っていた。
しかし、肝心のうにがいない。
いや、いた。
BB弾より一回り小さい
茶色の球体が浮かんでいた。
これだ。
これがうにだ。
私はうにをぱくりと食べた。
ガリッという感触がした。
「かかったな！」
とばかりに、せんべいが自己主張を始めた。
どうやらせんべいトラップのようだった。
苛立ったので、そのまま噛み砕いていくと、
「ぐああ！」
と叫んで、何も言わなくなった。
結局、お茶漬けを食べきっても、
うにらしいものは感じなかった。
会場には主賓はいないし、
乱入者は騒いでいるし、
主賓のダミーが跋扈している。
とんだパーティーだ。
私はこのお茶漬けと、
うにとの関係を考えてみた。
わさびと言うと、寿司屋を思い出し、
そこからうにへと繋がっていく。
海苔は海を想像させ、
やはりそこからうにへと繋がっていく。
いわゆる連想系のお茶漬けだろう。
奥ゆかしい日本的な茶漬けだった。
