だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

古びたタオルの行く末

しばらく前から使っているタオルがある。

かなりハードな使い方をしたり、

想定されていない使い方をしたため、

タオルはボロボロになっていた。

穴もあいてるし、ほつれも目立つ。

 

私はタオルの処遇に困った。

捨てるのも何だか忍びない。

そうだ、雑巾にしよう!

昔、家庭科で雑巾の作り方を

学んだことがある。

その知識を活かそう。

 

ある日、私はタオルを

小さな部屋に呼び出した。

何も知らないタオルは、

ノコノコと入室した。

 

私は窓の方を向き、

ブラインドの隙間を

指で少し隙間を広げ、

夕日を眺めていた。

そして、タオルに

背を向けたまま、話しかけた。

 

「今日は大事な話がある」

 

そう言うと、息を呑む音が聞こえた。

私は気にせず、続けて言った。

 

「君には雑巾になってもらう」

 

そう言った瞬間、

ガシャンと椅子を押しのけ、

タオルは立ち上がった。

 

「嫌だ!俺はタオルだ!タオルなんだ!

雑巾になんて絶対なりたくない!」

 

だが、私は振り返ることなく言った。

 

「連れて行け」

 

そう言うと、裏から

屈強な雑巾達が現れ、

タオルを取り押さえた。

そしてそのまま別室へ連れて行った。

 

彼には、四肢を押さえつけられ、

切り刻まれ、縫いつけられる等の

恐ろしい拷問が待っていた。

そして、しばらくすると、

洗脳が完了した。

 

しかし、そのおかげで、

今は見違える姿だ。

 

「オレ・・・ゾウキン・・・。

オレ・・・ユカキレイニスル・・・」

 

と、元気に第二の人生を歩んでいる。

新たな門出に乾杯だ。

私は満足してそれを祝い、

他の古びたタオルを一瞥した。

彼らはビクッと震えた。

 

 

 

 

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