だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

友人の死

その友人の余命を知ったのは、

つい最近だった。

医者の診断によれば、

余命はあと3時間足らずのようだ。

アッ、今また1分減った!

 

今日は彼との思い出を語りたい。

いや、彼女だったか。

まぁどっちでもいいや。

 

その友人は友人と言っても、

知り合ったのは1ヶ月前ぐらいだ。

そんなに間もない。

 

だが、人間関係で大切なのは、

量ではなく質だ。

どれだけ長くいたかではなく、

どれだけ深い関係を築いたか、

それが大切なのだ。

 

私とその友人とは、

会ってすぐに意気投合した。

そして会った時から1ヶ月、

ずっと一緒にいた。

1秒たりとも離れたことはなかった。

 

一緒に遊んだり、怠けたり、

食事をしたり、読書をしたり。

とにかく色んなことを一緒にやった。

楽しい日々だった。

 

彼と会ったのは、

偶然ではなく必然だ。

まるでその日会うことを、

前から宿命づけられていたようだった。

 

初めて会った日、

彼はピンピンしていた。

まるでその日生まれたみたいだった。

 

しかし、2週間経った

あたりからだろうか。

突然、調子を崩し始めた。

そして、下り坂を落ちていくように、

元気を失っていった。

 

私は何度も助けようとした。

こんな早く死んでもらっては困る。

まだまだこれからなんだ。

そう言って励ました。

 

だが、そんな努力も空しく、

病状は悪化し、

1日ずつ死へと近づいていった。

 

そして、今日だ。

今、彼は目の前にいる。

もはや虫の息だ。

余命時間だってハッキリわかっている。

それも秒単位で。

 

さようなら、私の友人 8月。

君はあと2時間9分30秒ぐらいで死ぬ。

 

そしてこんにちは、

私の新しい友人 9月。

 

8月のことなんて忘れて、

読書の秋を楽しもう!