今日の夕飯はビーフシチューだった。
ビーフシチューは大好物だ。
時間をかけて作った。
ビーフシチューをご飯にかける。
それは至福の味だ。
私は恍惚として炊飯器を開けた。
炊飯器の中には米はなかった。
予備の米も尽きていた。
私には米がなかった。
ビーフシチューはあった。
私はパンを探した。
だが、私にはパンもなかった。
ビーフシチューはあった。
私はビーフシチューを食べた。
混じりけのない、
完全なビーフシチューだった。
素材本来のうまさのビーフシチュー。
純度100%のビーフシチュー。
ビーフシチュー、
どこまで行ってもビーフシチュー。
米も、パンもない。
すべて、ビーフシチュー。