10月に入って少し経った。
しかし、10月になったのに、
あまり秋という感じはしない。
まだまだ気温は暖かいし、
服装も夏のままでも問題なかった。
小さい秋を見つけられるのは、
一体いつになるだろう。
見つけられないなら、
そろそろ探しに行こうか。
そんなことを考えていた。
だが、今朝、それは唐突に訪れた。
いつものように薄着で寝ていると、
明け方に強烈な寒さで起こされた。
目を開けると、そこには秋がいた。
小さい秋を探すまでもなかった。
むしろ秋は怒涛の勢いで、
家の中にも攻め入ってきた。
その猛攻の前に、
私はガタガタと震えるほかなかった。
小さい秋を見つけるのではない。
大きい秋に見つけられる。
それが今年の秋だった。