だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

おせちの作り方

正月に振る舞われたおせちが

とてもおいしかったので、

今更おせちを作ることにした。

 

しかし、実際のところ、

一体何を以ておせちを作ったと

言えるのだろうか?

 

昆布巻きやかずのこを

そこらへんで買ってきて、

単に箱に詰めただけでは

作ったとは言えないだろう。

そこには調理という行程が

必要不可欠だ。

 

では、昆布を煮詰めて、

あのうどんみたいなひもで縛る。

かずのこにも味つけを行う。

そうすれば、おせちを作った

と言えるだろうか。

 

いや、待て。

結論を出すのはまだ早い。

すでにある食材に多少小細工を

弄したとて、単に買ってきて

詰めるだけの物に、

毛が生えた程度だ。

 

シェフは食材選びにもこだわりたい。

こだわらせてくれ。

 

そう、食材を用意することだって、

おせちを作る行程に含まれる。

もちろん、ちゃんと自分の足で

取りに行くことが大切だ。

 

今時は5歳児だって、

ひとりでおつかいぐらいできる。

なのに、ママに買ってきてもらった

食材でおせち作りでは、

若い者達に示しがつかない。  

食材と栄光は自らの手で

つかみ取るしかないのだ。

 

なに?スーパーで買ってくるだと?

そんな軟弱な育て方をした覚えはない。

自分の足で取ってこいと言ったはずだ。

 

昆布が欲しいなら北海道へ行け。

かずのこを作るために、

真冬のベーリング海

ニシンを捕ってこい。

話はそれからだ。

 

こうして死に物狂いになって、

ようやく手にした昆布とかずのこ。

だが、それだって自然によって

用意されたものに過ぎない。

自分で作ったものではないのだ。

 

では、昆布を作ったのは誰だ?

ニシンを作ったのは誰だ?

 

昆布、そしてニシンという

生命を作ったのは・・・。

 

そう、造物主である。

 

おせちを作れる者は神しかいないのだ。

人間の手にはあまりに重すぎる。

 

私はおせちを作ることを断念した。

 

 

 

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