今日は帰宅が遅くなった。
だいぶ疲れてはいたが、
料理を作ることにした。
なぜなら、今日は知り合いから、
料理法を教えてもらったからだ。
その料理法とは、
嫌いな人間のことを思い浮かべながら
料理すると、切ったり、潰したり等の、
デストロイ系の料理が
はかどるということだ。
私はその言葉を信じ、
今日私を疲れさせた
元凶の姿を思い浮かべながら、
料理を作った。
気づくと目の前には、
こっぱみじんに粉砕された肉片が
広がっていた。
それ以外の食材も
すべて粉々になっていた。
私は自らの内にこんな
怒りのパワーがあったことに驚いた。
だが、よく考えてみると、
ハンバーグを作るのだから、
すべて粉々なのは当たり前であった。
デストロイハンバーグの味は、
いつもと何も変わらなかった。
憎しみは何も生まないことがわかった。