今日、掃除をしていると、
昔の日記帳が見つかった。
タイトルには
「楽しかったことだけ日記」
と書かれていた。
私はとても懐かしい気分になった。
そういえばそんな物を書いた気がする。
楽しいことだけ記録して、
日記にしたなら、
後から振り返って見れば、
とても楽しいだろう。
そんなことを思って始めたのだ。
一体昔の自分は何を楽しみに
生きていたのだろう?
私はワクワクしながら
日記帳を開いた。
「4月8日 コアラのマーチを食べた。甘い。」
日記帳はその1行で終わっていた。
後は真っ白なページが続いている。
私は自分の飽きっぽさに絶望した。
それとも、コアラのマーチ以外
何も希望が見いだせないほど、
暗黒ライフを送っていたのだろうか?
こうして、楽しかったことだけ日記は、
当初の目的と真逆の効果を
及ぼすこととなった。