だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

タンポポレース

今日は自転車で遠出した。

風の強い日だった。

 

軽やかに風に乗り、

そのまま風となれ!

 

そんなイメージで運転した。

 

だが、突如として目の前に

新手のマシンが乱入してきた。

 

タンポポの綿毛と種子であった。

 

ぽわぽわとした見た目に反し、

凶悪なスピードだ。

風を完全に味方につけ、

ゲームを支配しようとしている。

 

この戦い、負けられない。

 

私はスピードを上げ、

タンポポをぶっちぎった。

 

「見たか、これが人類の力だ!」

 

そう思い、ふと振り返ったが、

そこにタンポポの姿はなかった。

 

それどころか、タンポポ

風と共に一気に前に躍り出た。

 

負けじと私も加速する。

ギアを上げ、怒濤の追い上げを見せた。

 

だが、ここで一陣の風が吹いた。

すると、タンポポは鬼のような

スピードを繰り出し始めた。

 

「まだ・・・加速するだと?」

 

レース系の漫画だと、

ここで次回に続くやつである。

そして主人公が戦いの中で成長し、

敵をうち負かすやつである。

  

だが、現実は漫画より冷酷だ。

タンポポは遥か彼方へ走り去り、

試合はここで決着となった。

 

トルクが・・・違いすぎる。

 

姿が見えなくなる前、

タンポポはこれ見よがしに

ひらりひらりと二回転した。

 

人類にあらがいようのない

敗北感を植え付ける植物。

 

後にレース界で白い悪魔

呼ばれるようになるそれこそ、

タンポポという花であった。

 

 

 

 

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