今日は用事先で不穏な噂を聞いた。
「この辺に西夏(せいか)が来るらしい」
という噂だ。
私 「西・・・夏?」
西夏・・・その名には聞き覚えがある。
時は11世紀。
今から1000年ほど前の時代だ。
中国の北方に西夏という国があった。
タングート系の騎馬民族である
彼らは北辺の地を出で、
あの強大な中華帝国を脅かし続けた。
だが、彼らは確かモンゴル帝国に
滅ぼされたはずではなかったか?
その西夏が千年の時を経て復活し、
人知れぬ内に中国を制圧。
その魔手を日本にまで
伸ばしてきているのだ。
もし噂通りここへ来るのなら、
この辺は全て略奪し尽くされることだろう。
日本はもうおしまいだ。
私の心は恐怖で震え上がった。
来るのが聖火だと気づくまでの
数秒間の出来事であった。