だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

流しそうめんの記憶

今週のお題「そうめん」 

流しそうめん・・・か。

もうそんな季節か・・・。

 

あの時のことは、よく覚えている。

そう、古い話だ。(遠い目をしながら)

 

その日はとても暑い日だった。

蒸し暑く、うだるような暑さだった。

 

その日は不運にも予定が重なり、

暑さの中で体力を消耗した。

何とかその疲れを癒そうと考え、

ふと良いことを思いついた。

 

「そうだ、今日はそうめんにしよう」

 

私は少し元気を取り戻し、

そのままそうめんを買って帰った。

 

さぁ、久しぶりのそうめんだ。

キンキンに冷やして食べよう。

 

私はボウルにそうめんと冷水を入れ、

氷もたっぷりと注いだ。

 

しばらく経った後、

氷と水を捨てることにした。

はやる気持ちを抑えきれず

勢いよくボウルを傾けたら、

そうめんごと流しにダバァしてしまった。

 

パニック状態に陥った私は、

自らを励ますために思った。

 

「これが本当の流しそうめんだね!」

 

その一言で、すべてのことを

水に流そうと思ったのである。

 

だが、到底流しきれるものではなく、

しかし、そうめんは流されたままだった。

 

傷ついた心は癒えず、

痛みは流されることはない。

 

今もその痛みを胸に抱えながら、

1日1日を、細く、長く、

そうめんのように生きている。

 

 

 

 

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