だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

失われた自転車を求めて

今朝、私は衝撃を受けた。

自転車に乗ろうとしたら、

家の駐輪場に無かったのだ。

 

そんな馬鹿な。

いつもここに置いているのに・・・

 

私は狼狽した。

 

自転車のカギはある。

なのに自転車本体はない。

 

これはもしや盗まれたのでは?

 

その瞬間、私は人間不信になった。

もう誰も信じられない。

 

駅に向かうまでの道では、

町を歩く人間すべてが、

自分の財産を狙う盗人に見えた。

 

そういえば、昨日近所のおばさんが

挨拶してきたが、あれは陽動で、

その間に本隊が私の自転車を

強奪していたのかもしれない。

 

人と人とのつながりは失われた。

唯一信じられるのは自分だけだ。

 

今日はその後も疑心暗鬼だった。

ランチタイムの時も、

私のからあげ弁当から、

大切なからあげが強奪されまいかと、

不安でしょうがなかった。

 

とにかく帰りに交番で

盗難届を出そう。

 

その前にもう一度怪しいところを

思い出してみよう。

 

そういえば、昨日は友人の

H氏が遊びに来た。

もしや彼が真犯人なのか?

アリバイを探ろう。

 

まず、昨日はH氏が

最寄り駅までやってきた。

私は最寄り駅ということで油断し、

平然と寝坊した。

 

その遅れを取り戻すために、

猛スピードで自転車を走らせた。

そして、自転車を駅に止め、

友人と合流。

 

そのまま一緒に歩いて

自宅まで行った。

 

ん?一緒に歩いて・・?

 

あっ・・・

 

 

帰りに見に行くと、

自転車は駅に置きっぱなしだった。

 

その瞬間、私は自分不信になった。

もう自分のことは、

何も信じられない。

 

唯一信じられないのは

自分だけだった。

 

 

 

 

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