先月ぐらいに友人にクッキーをあげた。
結構良いところのお生まれのクッキーだ。
飢えていたので袋ごとあげた。
すると、うめぇうめぇと言って、
喜んで食べていた。
それから1か月ほど経った今日。
その友人からクッキーをもらった。
私があげたやつと同じクッキーを袋ごとだ。
クッキーの借りはクッキーで返す。
たしかそれがこの村の掟だった気がする。
私は掟に従ってクッキーを受け取った。
ここでふと思い浮かんだことがある。
このクッキーをさらに倍にして返したら、
一体どうなるだろうか?
私はその後の展望をシミュレーションしてみた。
繰り返されるクッキーの応酬。
終わらない報復の連鎖。
止まらない血糖値の上昇。
私の目には糖尿病ハルマゲドンの
未来がしっかりと見えた。
世界の破滅を防ぐためにも、
今、この戦いに終止符を打とう。
私はクッキーを返さないことに決めた。