だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

深川めしを求めて

皆さんは駅弁は何が好きだろうか?
 
私は深川めしが好きだ。
 
以前カメさんに教えてもらって以来、
時々無性に食べたくなる。
 
良いものを紹介していただき感謝である。
 
 
深川めしは強い駅弁ではない。
 
見た目も地味だし、肉も入っていない。
 
味付けも淡白だ。
 
しかし、絶妙な加減のあさりが美味で、
優しい味わいがある。
 
人生に疲れた時に食べたくなる
老荘思想のような駅弁だ。
 
 
そういうわけで、今日は帰りに
足を伸ばして東京駅まで行った。
 
そして、駅弁売り場まで向かった。
 
しかし、店に到着すると、
落ちた飴玉に群がる蟻のように
人がワラワラいて、
出鼻をくじかれる。
 
人生の雑事から離れたいと願いながら、
人生の雑事そのものに突っ込むのはこれ如何に。
 
ちょっと空くまで待とう。
 
私は時間をつぶすため、
あたりをふらふらした。
 
東京駅はさすが東京駅であり、
各地の名産品が揃っている。
 
しかし、よく考えてみると謎だ。
 
宮城から東京に観光に来た人が、
東京で宮城の菓子を食べたりするだろうか?
 
するかもしれん・・・。
 
恐らくここは、
東京に観光に来てみたが、
重篤なホームシックになってしまった
全国の旅人のために、
日本中の名産品を置いているのだ。
 
そういう点で東京駅のお土産店は、
社会保障的意味を持つと言えよう。
 
私は様々な県のお菓子を
ふらふらと見た。
 
しかし、私の目を引いたのは、
他県のものではない。
 
 
一体なぜ東京でバナナなのか
何もわからないが、
ときどき無性に食べたくなるやつである。
 
恐らく東京都民のDNAに
深く訴える何かがあるのだろう。
 
店には色々なバリエーションがあった。
 
生物進化の多様性を感じさせる。
 
しかし、やはり何といっても、
原初の姿のものが食べたい。
 
私は一番プレーンのものを
いくつか購入し、
満足して家に帰った。
 
大切な何かを忘れて。
 

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