先日、今流行りのPCR検査を受けてきた。
PCR検査とは何か？
PCR検査とは・・・
何だろう・・・
そもそもPCRって何の略なんだろう。
たしかパーフェクト・クライ・リバー
とかそんな感じだった気がする。
由来は知らん。
ともあれ、何かいい感じらしいので、
とりあえず受けてみた。
限りなくダメな感じの理由だ。
検査には予約が必要となる。
住所、氏名、年齢、体調などを
記入し、検査センターに送る。
そうすると秘密の招待状が
届くので、それを持って会場へ行く。
会場は人目のつかない場所にある。
路地裏に目立たぬ扉があり、
ノックを3回、1回、2回の順にする。
すると、中から
「今日は晴れているか？」
と、聞かれるので、
「雨だ。傘が一本いる」
そう合言葉を言うと、
「入れ」
と言われ、扉が開く。
みたいなことを思い浮かべる人は
映画の見過ぎだ。
現実にそんなドラマはない。
残念ながら会場は、
どこもごく普通のものだ。
会場には並んでいる人が
何人もいた。
私もそれに並んでみた。
すると係員が
「ご予約はお済みですか？」
と、聞いてくる。
済んでいなければ
そこでゲームは終わりだ。
シビアな世界である。
幸い、私は予約済みなので、
会場内に入ることができた。
場内でも列に並ばされた。
周りを見渡すと、いくつもの
個室ブースがある。
そこで検査を行うのだろう。
しばらく経つと私の番になり、
個室に案内された。
そこには誰もいない。
ただ、目の前の壁には、
梅干しの画像が
でかでかと印刷されている。
一体ここで何が・・・？
というか何をしたらいいんだ。
私は困惑しながら
次の指示を待った。
しかし、いくら経っても
誰も来ない。
私は個室を出て、
「あの、いつまでこの梅干しを
見つめてればいいんですか？」
と聞くと、係員から
「えっ、なんで検査キット
持ってないんですか？」
と驚かれた。
私に聞かれても・・・
そして、なぜかもう一度
別の列に並ばせられた。
先の係員はすぐに
他の個室にも行った。
すると、困惑気味の人が
手ぶらでぞろぞろ出てきた。
彼らも梅干しの画像を見ながら
突っ立たされていたのだろう。
かなりシュールな光景だ。
しばらく待つと検査キットを渡された。
ストローと試験管みたいな形の
プラスチック容器だった。
ストローで唾液を容器に入れ、
それを検査に回すようだ。
さっきの梅干しは唾液を
喚起するためのものらしい。
個室に入り、私は唾液を出した。
この作業は、かなり苦戦した。
人生でこんな訓練を
したことがないからだ。
体育の時間でも、
ストローでどんどん唾液
入れていこう体操とかはなかった。
何とか規定量まで入れると、
そこでお開きとなった。
その翌日、検査の結果が出た。
幸運にも陰性だった。
そのことを友人に話すと、
「陰気な人間だからだろうな」
と言っていた。
「陽キャはみんな陽性だ。
どうせマスクもつけないで
いつもパーティでもやってんだろ」
と、謎の僻みコメントが来た。
きっと彼も陰性だろうな。
私はそう思った。
