回らない寿司を食べに
行った人の話を聞いた。
その人があまりに
おいしそうに話すものだから、
私も食べてみたくなった。
そして、実際今日行ってみた。
最寄り駅近くにある
いい感じの寿司屋だ。
ちょっと入りづらそうな
たたずまいがまたいい。
店の外にメニューを見てみると、
ちょっと入りづらそうな
お値段が並んでおり、
おめおめと引き返した。
実際に入りづらい店だった。
帰りに私はスーパーで
寿司を買って帰った。
しかも半額だ。
人生は妥協の連続である。
だが、家で食べる段になり、
気づいたことがある。
それは、今日買ったどの寿司も
回転していないということだ。
「これは・・・回らない寿司だ！」
期せずして私は目的を
完遂したことを知った。
これが回っているように
見えるなら、早く病院に
行った方がいい。
味もかなりよかった。
払った額の2倍ぐらいの味は
確実にあった。
明日、みんなに自慢しようと思う。
「回らない寿司はやはり良いね。
昨日食べたところは、
自宅のような安らぎがあった。
君達も回転寿司なんて
食べてないで、
回らない寿司を食べたまえ」
そう言う予定だ。
