だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

終電の世界

昨日は久しぶりに終電で帰った。

終電に乗ったことのない
善良な市民の皆様に説明しよう。

終電とは百鬼夜行のようなもので、
乗客の大半は飲酒と疲労
妖怪のような有り様になっている。

ここでは日常では起こり得ない
様々な神秘的光景を
目にすることができる。

例えば、2人のサラリーマン型の
妖怪が斜め前の席にいた。

彼らはこんな会話をしていた。

「ここ止まりますよね?!
止まりますよね?!」

「こんな雑魚みたいな駅に
止まるわきゃねぇだろ!
急行だぞ!」

「そんなぁ~」

そのまま泣き崩れて地面と同化した。

恐らく大地の精霊だろう。

あと、急行電車は
雑魚みたいな駅の犠牲の上に
成り立っているんだなと知った。


他にも、女性客が、
「マニキュアが・・・マニキュアが・・・」
などとぶつぶつ呟いていた。

多分、
「マニキュアがどうしたんですか?」
と尋ねてしまうと、
体を乗っ取られてしまうタイプの
妖怪だと思う。

こういう地縛霊タイプに
話しかけてはいけない。
 

あとは座席全体に
うつ伏せになって
倒れている個体もいる。

これは全身から
大地のエナジーを吸収している。

恐らく大地の精霊だろう。

大地の精霊、多過ぎでは。

他にも様々な個体がいたが、
書ききれないので省略する。

終電初心者の方へ。

彼らに取り憑かれない
ようにするためには、
何も見えていないフリを
する事が大切だ。

目を合わせず、近づいたり、
まして話しかけたりは
決してしてはいけない。

もし何かトラブルに
巻き込まれると、
今度は我々自身が始発の妖怪に
なってしまうことだろう。

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