今日は電車で座っていると、
右隣のおじさんが
もたれかかってきた。
どうやらお疲れのようだ。
さっきからずっと船を漕いでいた。
仕方がない。
肩を貸してやろう。
そう思って大人しくしていたら、
今度は左隣のおじさんも
寄りかかってきた。
こっちもお疲れらしい。
左右におじさんをはべらす。
これが両手に花というやつか。
今、2人のおじさんの未来が、
私の双肩にかかっていた。
もし私が突然この場を離れるとしよう。
すると、彼らはそのまま
倒れ込んで頭が激突、
中身が入れ替わってしまう。
そしてよくありがちな
青春ラブストーリーが
始まってしまうかもしれない。
そんな悲劇を避けるためにも
私は必死で彼らを支えた。
そして、2駅乗り過ごした。