だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

カワセミのいる池

今日は用事が早めに終わり、
用事先の近くの公園に
寄っていった。

時刻は夕暮れ。

美しいオレンジ色の光が、
園内を照らしていた。

その公園には大きな池が2つあった。

看板には水辺にいる鳥たちが
紹介されていた。

カルガモやマガオといったザコから、
アオサギゴイサギ
その他様々な鳥がいるそうだ。

中でも目を引くのはカワセミだ。

この池にはカワセミがいるらしい。

それ目当てのバードウォッチャアーも散見された。


池のほとりのベンチには、
やたら重武装なウォッチャアーがいた。

対戦車ミサイルみたいな
凶悪な望遠レンズをつけたカメラに、
三脚を装備したおじさん。

しかし、その表情は険しい。

レンズの先の池では、
カモばっかりうじゃうじゃいて、
グァー!だのギャアー!だの騒いでいる。

おじさんの目には
「早くどけよ」
という意志が宿っていた。

その池はおじさんが異様な
プレッシャーで場を
支配していたため、
私は彼の後ろにある方の
池にいった。

こちらは人気がなく、
カモもあまりいなかった。

しかし、ふいに目をよぎる
青い光があった。

カワセミだ!

この公園には本当に
カワセミがいたのだ!

私は思わず振り返り、
おじさんに

「後ろにカワセミいますよ」

と声をかけようと思った。

しかし、もしかしたら
険しい顔をして
望遠レンズごしにカモを
覗き込むのが趣味なのかも
しれない。

そうだとしたら
邪魔することになってしまう。

なので私は何も言わず、
その場をカワセミのように
素早く立ち去った。

 

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