今日は証明写真を撮ってきた。
人であることを証明するために。
証明写真の歴史は古く、
私の調べによればその起源は
平安時代にまでさかのぼる。
古来より
「魔の者は写真には写らない」
と言い伝えられてきた。
人と魔を識別するためには、
常に写真が用いられる。
そのため、陰陽師たちが
カメラを多用したと言っても
不思議はない。
今日の写真は駅にあった
証明写真ボックスで撮影した。
出てきた写真を見て、
私は胸をなでおろした。
よかった・・・。
まだ人でいられた。
一体あと何枚まで
人であり続けられるだろうか。
そんなことを思いながら、
役所に提出する封筒に
証明写真を入れた。
私の後に入った男は、
撮影音と共に
「キェェ!」
などと奇声を発し、
JR陰陽師達に除霊されていた。