昨日、桃味の蒟蒻畑をたくさん買った。
なので、今日はさっさと帰って
食べるのを楽しみにしていた。
しかし、今日は用事先で、
実物の桃をいくつももらってしまった。
かなり立派な姿だ。
これはただ者ではない。
あとで調べてみたが、
かなり良いところの
お生まれの方々だった。
私のような下々の者が
口にしていいものだろうか?
ともあれ、桃を携えて帰宅した。
そしてそれらを机に置くと、
蒟蒻畑と目があった。
対峙する人口の桃と天然の桃。
人類と自然との壮絶な戦いが始まった。
人類は海から生まれ、
先史時代の偉大な獣へと進化し、
万物を支配する霊長となった。
その叡智はついには自然の産物に
迫る蒟蒻畑へと到達した。
だが、荒れ狂う大自然の甘味には
なすすべもなかった。
桃は完膚なきまでにうまかった。
人類は自然に敗北したのだ。