家に光回線を引くことになったのだが、
通信会社からは工事が必要だと言われた。
もしかしたら長引くかもしれないとも、
神妙な面持ちで聞かされた。
私はこれから待ち受ける困難を思い浮かべた。
海底ケーブルの敷設。
岩盤の崩落。
仲間の死。
チームの分裂。
そこには様々な試練が訪れるだろう。
しかし、そうした挫折を乗り越え、
皆がまた一つになって力を合わせ、
ついに工事を成し遂げる。
そして、
「この光回線こそが、俺達にとっての光だったんだ!」
などと決めゼリフを言って大団円。
そんなストーリーを想像した。
そしてきたる工事当日。
作業員 「よろしくお願いしまーす」
5分後
作業員 「あ、終わりましたー」
何一つとしてドラマが発生することなく、
工事は終わった。