今日は友人と博物館へ行った。
だが、行ってみると、
コロナ対策で休館であった。
行く場所に困った我々は、
こんなことを思いついた。
そうだ、全て流れに身を任そう。
電車に乗り、なんとなく人が
たくさん降りるところで一緒に降り、
なんとなく人がたくさん向かってる所に
ついて行く。
そうしたら一体どこへ運ばれるのだろうか？
そういえば、以前行った水族館に、
こんな説明書きがあった。
「プランクトンとは微生物に限らない。
自力で動くことができず、
流れに身を任せる生物は、
大小問わずプランクトンと呼ぶ。
どんなに巨大なクラゲであっても、
自力で動けなければプランクトンである」
そう、今日の我々はプランクトンなのだ。
こうして2匹のプランクトンは、
流されるままに電車に乗った。
車内には意外に親子連れが多い。
コロナ騒ぎもなんのそのである。
しばらくすると、彼らが一斉に降り始めた。
もちろんプランクトンも一緒だ。
彼らのほとんどは、一様に同じ方向へ
向かっていた。
それだけでなく、他の場所からも
わらわらと人が集まってきた。
何か人気の場所があるのだろう。
彼らの何人かは途中の店で
ベーグルなんかを買っていた。
もちろんプランクトンもベーグルを買った。
ベーグルを捕食しながら歩いていると、
そこそこ大きな公園に着いた。
そして我々が目にしたのは・・・
一面に広がる桜であった。
なんと、着いたのは桜の名所だった。
プランクトン生活も良いことがあるものだ。
さぁ、早速どんちゃん騒ぎの
お花見を始めよう！
そう思ったところでこんな看板を見つけた。
「コロナ対策のため飲食を伴う宴会はやめてください」
我々はベーグルを捕食するのをやめた。
我々は飲食を伴わない宴会を行った。
