だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

そうだ 熱海行こう

今日は用事で北方に遠征していた。

 

具体的に言うと北関東あたりだ。

 

あそこらへんは

遊牧騎馬民族の地なので、

出現するモンスターも強く、

とても疲弊した。

 

難易度の高いクエストも色々あった。

 

帰りは高崎線を使ったが、

泥のように座席に座り込んだ。

 

東京で乗り換えなければ

ならないのが、

とても面倒だ。

 

憂鬱な気分になっていると、

車内アナウンスが流れた。

 

「この列車は熱海行きです。」

 

それを聞いて思った。

 

「そうだ 熱海行こう」

 

乗り換えなんかして、

自宅へ帰ろうとするから

いけないんだ。

 

このまま熱海へ行ってしまおう。

 

そしてそのまま温泉旅館へ泊り、

そこを第二の故郷として生きよう。

 

この疲れを癒せるのは温泉しかない。

 

そこで人生をやり直すんだ。

 

私は熱海へと進路を定めた。

 

 

列車はどんどん南下していく。

 

途中、東京駅に到達した。

 

私が乗り換えるはずだった駅だ。

 

乗客はそこでごそっと降りた。

 

バカな連中だ。

 

このまま黙って乗っていれば、

温泉に入れるというのに。

 

私は趣を介しない虫けらどもを

心底見下した。

 

だが、しばらく経ち、

横浜を過ぎたあたりで

急速に我に返り、

バカなのは自分の方だと気づいた。

 

そして、負け犬のように

おめおめと自宅へ引き返した。

 

「突発性熱海・温泉症候群」

 

それは高崎線沿線に

固有の風土病である。

 

 

 

 

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