お盆になるときゅうりの馬となすの牛に乗って、
先祖が行き来する。
それが日本古来の風習だ。
しかし、時はすでに21世紀。
馬と牛の時代でもあるまい。
きゅうりもなすも四輪駆動に
変えるべきではないか。
そんな意見を聞いた。
確かに行き来の時間をだいぶ減らせそうだ。
しかし、霊の帰省ラッシュ時に
渋滞に巻き込まれる可能性も
否定できない。
車はかえって危険だ。
そこで出てくるのがドローンだ。
ドローンならばそうした悩みとはおさらばだ。
すぐに飛んできて、帰りも楽ちんである。
今は情報化社会。
伝統や風習だって時代に合わせて
進歩していかなければならない。
きゅうりやなすに4つのプロペラをつける時が来たのだ。
しかし、実用化はもう少し先かもしれない。
今のドローンは、まだまだバッテリーの容量が
十分ではないと言われている。
航続距離の問題は厳然としてあり、
死んだおじいちゃんを乗せたきゅうりドローンが
三途の川あたりで墜落する可能性もある。
ドローンが日常的に空を飛び交うようになるまでは、
やはりしばらくは馬と牛で我慢してもらうしか
ないかもしれない。