だいたい日刊 覇権村

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豚骨醤油ラーメンを作った

今日は豚骨醤油ラーメンを作った。 

だが、そのことを語る前に、

一体何を以てラーメンを作ったと言えるのか。

それを明らかにする必要があるだろう。

 

まず、原料から全て作らないと、

自分で作ったとは言えない説がある。

(ラーメン原理主義過激派)

 

この教えによれば、麺の原料の小麦も、

豚骨やチャーシューに必要な豚肉も、

自分で調達しなければならなくなる。

人はラーメンを作るために、

小麦を苅り、大地を駆り、豚を狩る。

無人島に流れ着いた遭難者じゃないのだから、

そんなことを全部1人でやる必要はないだろう。 

これではラーメンを作るだけで

一生を棒に振ってしまう。

この学説は却下だ。

 

次に、カップラーメンにお湯を

入れただけで作ったと言える説。

(三分クッキング学派)

 

これも却下だ。

こんなのは、ほぼ完成状態のラーメンに、

お湯を入れただけじゃないか。

例えるなら、パソコンにゲームを

インストールしただけで、

ゲームクリエイターを自称するようなものだ。

 

以上のように、両極端な態度は

避けた方が良いだろう。

何事もほどほどが一番。

孔子アリストテレスだって、

中庸が大事だと言っている。

 

私としては、インスタントラーメンを作れば、

ラーメンを作ったと言える説を推したい。

 

袋から麺を出す。

麺を茹でる。

液体スープをお湯に溶かす。

好きなトッピングを入れる。

 

インスタントラーメンは、

こうした高度な操作を必要とする。

文句なしにラーメンを作った、

と言えるだろう。

 

では、トッピングは何にしよう?

巷ではよく

「ほう・れん・そうが大事」

と言われる。

きっとほうれん草が足りていないのだろう。

そういうわけで、ラーメンには

ほうれん草を入れる事にした。

 

ほうれん草の量は1束と書いてあったが、

間違えて1袋買ってきてしまった。

「ちょっと買いすぎてしまったかな」

と後悔したが、問題はない。

なぜなら、ほうれん草は茹でれば

どんどん縮むのに対し、

麺はお湯を吸って増える一方だからだ。

時間は確実に私に味方する。

泥沼の長期戦に持ち込むのだ。

 

しかし、ふたを開けてみれば

ほうれん草はなかなか縮まず、

文明崩壊後の都市みたいに

すべてが緑で覆われていった。

こうしてできた料理が、

豚骨醤油ほうれん草。

トッピングは麺だった。