だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

しゃぶしゃぶの意義

しゃぶしゃぶを誤解する者は多い。

よくある誤解は、

「ただお湯で茹でれば、

しゃぶしゃぶは完成!」

というものだ。

 

家でも、お湯を沸かして、

肉を茹でれば、いつでも簡単に

しゃぶしゃぶを楽しめるという。

 

だが、そんな風にしゃぶしゃぶを

捉える者は、この世界の美しさや、

生きることの何たるかを知らず、

灰色の世界で一人孤独に

死んでいくことになる。

 

しかし、しゃぶしゃぶの

真の作り方を知れば、

世界は色を取り戻し、

家族や友人に恵まれ、

社会的な成功も約束され、

生きることの本当の意味を

理解することだろう。

 

といっても、何も難しいことはない。

背伸びして高い肉を買う必要もないし、

5年間は肉に手も触れさせてくれない

厳格なしゃぶしゃぶ職人の下で

修行する必要もない。

ただ、世界との向き合い方を

変えればいいのだ。

 

具体的に言うと、

いったん沸かしたお湯に

酒と砂糖を入れ、昆布でだしを取り、

それで肉をしゃぶしゃぶすることだ。

そうすれば、生まれ変わった肉達との

出会いが、あなたを待っている。

 

彼らの処遇をどうするかは、

人それぞれだ。 

そのまま食べるでも良いし、

冷やして食べるのも良い。

ゴマだれや岩塩をかけても

味わい深いものになるだろう。

 

私のおすすめは、おろししょうゆだ。

試しに冷蔵庫を開けてみよう。

きっと昔買って、すっかり忘れ去られた

おろししょうゆのたれが見つかるはずだ。

 

賞味期限は・・・

 

2019年11月か・・・

 

ここで葛藤が生まれる。

 

「行くべきか?」

 

「いや、腹を壊すかもしれん」

 

「だが、そもそも我が家に

賞味期限の切れていない調味料があるか?

七味唐辛子なんて、賞味期限2018年だぞ」

 

こうした逡巡の後、

人間は決断する。

 

人生も料理も思い切りが肝心だ。

何のリスクもなしには、

何もつかみ取ることはできない。

 

こうして勝負に出る。  

そして、一口食べてみる。

 

勝った・・・!

 

若干、危うい味もするが、

逆にコクが出ていて良い。

おろししょうゆのたれ、全然いける!

 

こうして人は、栄光を右手で

つかむことができたのだった。

 

そして、左手でつかんだのは、

重い腹痛だった。

 

 

 

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