だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

おはな

今日は友人が庭で花を植え始める話を聞いた。

ガーデニングを始めるらしい。

その言葉を聞くと、
私の脳裏に苦々しい思い出がよぎる。

私も以前、庭に花を植え始めたことがあった。

戦場の右左もわからない新兵だった頃の話だ。

土を簡単に耕し、
好きな花の種をたくさん植えた。
 
その時の感情の高鳴りは忘れられない。


しばらくすると、芽が出始めた。

私は狂喜乱舞し、水と肥料をやり、
毎日丹念に世話をした。

そうして彼らはスクスクと育った。

そして、成長しきった時、
それらが全て雑草だったと
わかったというわけだ。

本命の花はとっくの昔に
雑草にやられていた。

きっと己の死を自覚する暇もなかっただろう。

こうして私はガーデニング
大切なことを学んだ。

ガーデニングとは、
敵の侵攻をいかに食い止めるか。

いかにして敵を制圧するか。

それが第一である。

ガーデニングとは戦争の一種なんだ。

戦士としての気構えを持て。

私は友人にそう助言した。

「俺の知ってるガーデニングと違う・・・」

と、戸惑いを隠せなかった。

恐らく、多くの戦友を失い、
心に傷を負って帰ってくることになるだろう。

ガーデニングPTSDは、
戦う園芸家に共通の病なのだ。

 

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